講演会
天皇家の礼装:十二単
市田 ひろみ
この“着物ショー”では、季節ごと、そして結婚式といったセレモニーで着られる礼装をご覧いただけます。時代と共にどのように変わってきたか、昔のものと比較してみたり、着付けと帯結びの実演も行なわれます。
市田氏は、早くに女優としてのキャリアを経験した後、全く異なる分野である芸術的な世界に興味を持ち、新たな挑戦へ情熱を傾けました。ヘアスタイリスト、服飾評論家、エッセイスト、大学講師、日本和装師会会長、書家と数多くの芸術分野において成功を収めてきました。
彼女は膨大な衣装コレクションを持ち、その中でも450着に及ぶ色とりどりの民族衣装は世界中の旅先で集めたものです。また、アメリカ、フランス、デンマーク、中国、カナダ、ブラジル、メキシコ、ドイツ、イタリアなど各国101都市で、企画・演出・モデルとして、日本文化を紹介するために着物ショーを催行し、文化交流にも貢献しています。
伝統美術と工芸:京都の飾り房の世界
岡本 宏一
日本における最も古い房は約1400年前の古墳で発見されたものです。飾り房は貴族社会が隆盛を極めた平安時代(794~)に大きく発展し、伝統的な京都飾り房と飾り紐は日本の色彩豊かな祭りにおいて趣を添えてきました。
幼少の頃から家業を手伝い始め、飾り房・紐の世界に入ってから40年となる岡本氏は、「仕事には艶がないとね。艶と言う時は豊かな色と書く。作る人間がまず豊かさと色気を持ち合わせてないと」鮮やかな語り口の3代目。他の京都の名匠と同様に、自らの作品に対して、そして妥協のない高い技術に高い誇りと信念を持っています。
特に神社仏閣に奉納する房飾りや儀式の時の特別な飾りを作成しており、本大会の講演では氏の伝統工芸の担い手としての京都飾り房、飾り紐について語られます。
岡本啓助商店
明治25年(1892)、初代が袱紗(ふくさ)房(ぶさ)を製作した事から始まる。昭和10年代後半、2代目が考案した婦人バンドが好調な売れ行きを見せる。戦時中の5年間は強制疎開のため一旦京都を離れるが、戦後、現在地にて「京飾り房・紐工房」を再開。現在は一貫製作にて神社仏閣や祭禮用などの飾り房・紐を請け負い、高度な技術を要する復元新調も手がける。国会議事堂のカーテンのフリンジも手がけ、手作りで正確にそろった洋房を見事に作成した。
二代 川島甚兵衛のものづくり - 真・善・美 -
森 克己
森氏は、古くは呉服や内装、現在ではインテリアを中心に扱う名門、川島織物(現 川島織物セルコン)で働いてきました。会社が新工場を立ち上げた際には、織機のデザイン業務の中心として携わり、新製品の開発、営業・企画の責任者も果たしています。
1993年、奈良時代より皇室とも縁の深い世界遺産:正倉院宝物の染織品を復元するプロジェクトの統括責任者として、10年にも及ぶプロジェクトを率いてきました。
また1998年には川島織物文化館の館長に任命され、日本の美術工芸織物、インテリアデザインを日々研究し続けています。
講演では二代 川島甚兵衛のものづくりを中心に、日本の織物を改良して室内装飾として提案する実例や、世界に向けて独自の内装を万博博覧会で提案した実例を紹介します。
真とは:素材や工程にいささかの妥協も許さない。“本物づくり”
善とは:使う人、買う人に安心感を与える製品を提供する。“信頼づくり”
美とは:日本伝統の染織美を徹底的に追求する芸術。“一流品づくり”